min dagbog

デンマークのこと、思ったこと、感じたこと。

デンマークの小学校(Folkeskole)その2。

Hej! 今日は教育編でデンマークの小学校について。

訪れた学校はオーデンセにある公立の小学校。全校生徒は約700人、様々な人種の子供が通うインターナショナルな学校です。今回は2年生、6年生の英語の授業を見学させてもらいました。

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f:id:mit_frugtbare_liv:20190502131159j:plain(エントランスではカラフルなアートがお出迎え!見ているだけでハッピーな気分になります)

 

朝の始まりは「歌の時間」。毎朝全校生徒が集まり歌を歌います。私が今までに訪れたデンマーク教育機関ほぼ全てにおいて歌の時間がありました。歌はデンマーク教育に欠かせない要素になっているような気がします。

f:id:mit_frugtbare_liv:20190502174152j:plain(ギターの生演奏!)

 

まずは2年生のクラス。登校した生徒は、下の3つのムードを表すマークにクリップをつけます。それを元に先生は生徒に「どうして良い気分なのか?」「悪い気分なのか?」を一人一人に尋ねます。ある生徒は「風邪を引いて体調があまり良くないから気分が悪い」と答え、ある生徒は「週末大会で優勝したから嬉しい気分」と答えました。

生徒自身「なんで自分がそういう気持ちなのか」考えるきっかけになると同時に、周りの生徒もそれを聞いて心配したり、お祝いしたりと、、、その子の気持ちを尊重できるのでとても良い方法だなと思いました。

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(良い気持ち・まあまあ・悪い気持ちを表すカード)

授業のテーマは「My favorite food」。一人一人自分の好きな食べ物の絵を描き、それを英語でみんなに紹介するというもの。シンプルですが「英語を使って自分を表現する」ということに焦点が置かれています。

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(好きな食べ物にほとんどみんなピザとハンバーガーを挙げる中、ある女の子が寿司を描いてくれました涙)

 

ちなみにデンマークの英語教育は小学校1年生から始まります。以前は3年生からでしたが、数年前に行われた教育改革により、1年生からになったそうです。

また、様々なバックグラウンドを持った子供達。英語のレベルにも個人差があるといいます。しかし、1クラス20人弱と少人数体制なので、先生は1人1人に目を配り、各生徒のレベルをしっかりと把握することができるのです。

 

次は6年生の授業。始まったのは「スクラブル」というボキャブラリーゲーム。授業とは思えないほどのびのびと楽しむ生徒達の様子が印象的でした。単語を覚えるにしても、ただ単語帳とにらめっこするのと、ゲームを通して自分たちで考えるの。どちらが本当に生徒達にとっての「学び」となるのでしょうか、、、?

f:id:mit_frugtbare_liv:20190502174238j:plain(チームに分かれ、1人ずつ真ん中にあるこれらの単語カードを取りにダッシュ!)

f:id:mit_frugtbare_liv:20190502005659j:plain(集まったカードを元にできるだけ多く単語を作りポイントを競います)

ここで担任の先生にお話を伺いました。

「いつもこのようなゲーム形式の授業を行っているんですか?」

「いつもではないけれど、ここ最近文法の授業を中心に行っていたから今日は気分転換も兼ねてこのゲームをしているの。

英語学習のゴールはあくまでも『英語を使ってコミュニケーションがはかれるようになること』それも学校の授業だけで。

だから授業でもプレゼンテーションやグループワークを通して生徒がたくさん英語を使える機会を設けているの。」

日本の英語学習と違うこと、それは「学習のゴール」だと思います。

日本では英語の能力はペーパーテストで計られ
『点数が良い=英語ができる』
一方デンマークでは
『英語でコミュニケーションができる=英語ができる』
と捉えられます。

そのような考え方は評価方法にも現れており、最終学年では口頭試験が課せられます。生徒らはあるトピックについて英語でプレゼンテーション、その後質疑応答が行われるという形式です。

 

2年生、6年生の授業共にクリエイティヴで、生徒主体。どちらも各先生のアイデアであるといいます。

カリキュラムが一律に決められているのではなく、教員自身で決められること。
これこそが日本とデンマークの教育のあり方に大きな違いを生むポイントなのではないでしょうか。

日本のようにカリキュラムがないので、先生たちも「今日は教科書のここまで終わらせないと」と焦って授業を進める必要はありません。教員が生徒達にとってベストだと思う方法を実践できる自由な環境。それがデンマークの教育の要になっているように感じました。

 

最後に印象に残っていることを2点挙げたいと思います。

➀生徒の積極性!
今回日本の文化と学校制度について紹介する時間を設けてもらったのですが、みんな興味深々!プレゼンテーションの節々で質問が飛んできました。また、質問だけではなく「日本は中国と似ている点があると思うな。」「ユーチューブで相撲見たことあるよ!」など、自分の意見を述べる生徒も。改めてデンマーク人は「自分の意見を述べること」に慣れているんだなあという印象を受けました。

f:id:mit_frugtbare_liv:20190502174340j:plain(日本の学校の教科や制服、給食などについて紹介しました。)

➁学校のデザイン
教室内にソファー、教室を一歩出ればすぐ中庭があったりと、生徒らがリラックスしたり、身体を動かせる環境。そして校内の至る所にカラフルなアートが!それもデンマークの歴史年表のイラストが廊下に描かれていたりと、、、生徒らが生活の中で自然と学べるような工夫がたくさん見られました。

f:id:mit_frugtbare_liv:20190502174422j:plainデンマークの歴史年表)

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(図形の公式まで!)

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(歯、、、!?)

今回協力してくださった学校のみなさん本当にありがとうございました!

最後まで読んでくれてありがとうございます!それではVi ses☺︎

 

〜おまけ〜

校内で見つけた面白いものを紹介していきます!

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(カフェのようなおしゃれなスペース、学校とは思えない、、、!)

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(生徒達の作品、クリエイティビティが爆発してる、、、)

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ポケモン!?)

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(中にスピーカーがついているユニークな椅子)

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(各クラスのドアには生徒らが作ったクラスの名前が貼られています。各クラス違うので見ているだけでおもしろい!)

 

デンマークの小学校その1」では学校のシステムなどにも触れていますので、合わせてチェックしてみて下さい☺︎

mit-frugtbare-liv.hatenablog.com