min dagbog

デンマーク留学の記録。

Living lab。

先日内閣府の方々がオープンイノベーションの調査のためデンマークへ視察にいらっしゃいました。ある企業訪問の際に同行させて頂いたので、その事について書こうと思います。

 

当企業はテクノロジーのテスト、特に福祉や介護にまつわる製品やテクノロジーの実証試験を請け負っています。

当社のユニークな点は「リビングラボ(Living Lab)」という手法を採用していること。リビングラボとは企業関係者だけでなく、実際のユーザーや市民を巻き込んで新しい技術やサービスを開発する場のこと。つまり、提供者と利用者が共創する場所のことをさします。欧州、特に北欧を中心に発展を遂げており、現在国内外から注目を集めているそう。

 当社のオフィスにも2種類のラボがあります。1つ目は利用者の住環境を再現したラボ。そこに実際のユーザーを集め実証実験を行います。2つ目は製品について議論するためのラボ。利用者からアイデアを集めたり、製品に関する意見交換を行います。

デンマークの文化や国民性を考えると、このような手法が機能している理由が分かるような気がします。まず、デンマークは「対話の文化」が根付いた社会であること。デンマーク人は自分の意見を言ったり、他人と議論することに慣れていると思います。そして立場によらない平等な意識。日本のような「お客様は神様」という意識が低いため、提供者が利用者に媚びる必要もありません。どちらが上でどちらが下というよりも、提供者は「良い製品を届けたい」利用者は「良い製品を手に入れたい」という利害関係の一致から「一緒に協力しよう!」という考えの方が大きいのではないでしょうか。

 また先方がヨーロッパ文化に関するお話をされたのですが、それもリビングラボが成功している理由につながると思いました。それは「Fail First Culture」という文化。「ヨーロッパには失敗を先んじる文化があります。失敗しなければ改善点は見つからないと思います。だから私たちは何度も実験を行うのです。」日本はどちらかというと「失敗=恥」のような意識を持つ人も多いのではないでしょうか。どちらが良い悪いという問題ではありませんが、リビングラボを成功させる上で「まずやってみよう!」という精神は重要な鍵になるのかもしれません。

 

最後にもう一つ印象的だった先方のお話を紹介したいと思います。それは世界における日本のポジションについて。「日本は超高齢者社会。そのための介護システムを開発しなければならない状況にあります。そして、高齢化社会は将来的な世界全体の課題でもあります。そのため、日本はヘルスケア部門において世界的な市場になると思います。」日本がそのような観点から見られているのかと大きな気づきを得られました。

デンマークも高齢化が問題になっています。将来的に3つに2つの自治体が財政難や人手不足に陥り介護サービスを提供できなくなると予想されており、介護技術の導入が必要とされているそう。

遠く離れた日本とデンマークですが、お互いに高齢化という課題を抱えています。日本の高い技術力と、デンマークのクリエイティビティ。この2つを組み合わせたら何か素晴らしいものが生まれるような気がします。

 

関係者の皆様貴重な機会を与えてくださりありがとうございました!それではVi ses!